コリンズの軍用無線機としてはR390/Aが有名である。 Boat Anchor (錨)と呼ばれる超重量級の受信機で、その芸術的とも言える1KHz周波数直読式の機械式デジタルメータは、好きな人にはたまらない魅力である。
 しかし、伊達にBoatAnchorと呼ばれてる訳ではない。 重い。 とにかく大きい、重い。 私のような軟弱ものでは持ち上がらない。持ち上がったとしてもぎっくり腰必至である。

その点R648は、Flying R390 と呼ばれるように、R390のエッセンスを残し、航空機用として作られた受信機で軽量、小型である。 電源は27.5VDCのみとなっている。 自動車などで使われている12Vの鉛蓄電池は、13.8V定格なので、その2倍であり、航空機やジーゼルトラックの24V電源ならそのまま使用できる。
DC−DCコンバータはシャシ右に見える円筒形の直流発電機をモータで廻すことにより250VDCを直接得ている。 AN/GRR-5では、バイブレータという電磁振動子で直流を交流に変えてトランスで昇圧していて、そこそこ静かであるが、この機械では「ジャー」という音がうるさい。 この方が軽いし、機内は相当にうるさいので、これで良いのであろう。 手軽にコリンズ軍用無線機のメカを楽しめる。
生産台数は1500台と言われ、入手困難である。 対戦哨戒機P2とか、輸送機C130にサブとして搭載されたとの事である。 受信周波数は190kHz〜500kHz、2MHz〜25MHzとフルカバレッジでは無いが、短波受信用としては充分である。 また、S-Meterなども無いが、ブロック図を見て頂ければ判るように17球とコリンズらしい物量戦である。
RFデッキは、複雑なギアトレインで駆動され、廻して遊んで楽しいが、R380、R388のハート形カムとは違う方式である。
全体は、6つのプラグインユニットで構成され、メンテナンスはユニット交換で行われるようになっている。取り付けたままでの整備が出来ないし、取り外すと動作確認が出来ないので、レストアは大変そう。
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RF Unit and PTO
IF Unit
リストアの状況 1
Part          2<NEW>
R390そっくりな1KHz直読(200Hz目盛り付き)の機械式デジタルダイアル。 但しMHzの桁は1つに簡略化され、それ以下の桁が2重になっているのが判る。 しょっているギアが少ない分チューニングダイアルは軽く、一応指の腹で回せる。 
別項で述べるが、メインダイアルの回転をギアで準機械的に表示している。 メカとしては昔の自動車の距離計と同じである。 と言うことは、最近のシンセサイザや周波数カウンタによる、LCDによる直接周波数制御や、カウントによる電子的表示と違い、表示部のリニアな機械的表示に合わせて周波数が変化するVFOが必要になる。 PTOが大きいのはその為であろう。
一番左の桁は、MHzで、バンドスィッチに連動している。 数字は小さく読みにくいが、機械的機構でデジタルリードアウトを実現している。
Collins Airborne Receiver
R648 ARR-41